こんにちは!デザイナーのゆっきーと申します。
皆さんはインクルーシブデザインやユニバーサルデザインという言葉を耳にしたことはありますか?私はデザインを学んでいく中で知った言葉ですが、近年デザイン制作において、これらを意識することがとても重要視されているように思います。
インクルーシブデザインやユニバーサルデザインが重要視されている一つの理由として、ダイバーシティ(多様性)やSDGs等が浸透してきている時代の背景も関係しているのではないかと考えます。
今回は、そんなインクルーシブデザインやユニバーサルデザインとは一体何なのかをまとめてみました。
インクルーシブデザインとは?
そもそもインクルーシブとは包括するという意味で、対義語はエクスクルード(除外する)という意味になります。
インクルーシブデザインは、製品やサービスを利用するのに制約のあるユーザー(例えば高齢者・外国人等)でも使いやすいように、多様な背景やニーズを想定し、制約のあるユーザーの意見を取り入れ、誰もが使いやすいデザインを制作することを考え方として持っています。
制約がありデザイン上除外されてきた人や、ユーザー対象から外されていると感じたことのある人たちの声を反映し、デザインを一緒に制作することで、誰もが使いやすいデザインとなり、製品も多様な視点で最大限の価値を生み出すことができます。
インクルーシブデザインの事例としてはバンドエイドのカラーが多様な肌の色味に合わせて制作されたものであったり、キューピーマヨネーズのキャラクターのデザインがマレーシアやインドネシアでは宗教の観点から、キューピーの背中の羽をなくし、顔と手だけのデザインになっていることなどがあげられます。
インクルーシブデザインをウェブデザインにおいて当てはめると、ディスレクシアなど読み書きに困難を抱える方でも読みやすいフォントを選定したり、音声機能を取り入れたり、一貫性のあるわかりやすいレイアウトでのデザインなどが挙げられます。
ユニバーサルデザインとは?
ユニバーサルという言葉はすべてに共通であるという意味があります。
ユニバーサルデザインとは、あらゆる人が使いやすく、より多くのユーザーが利用できることを目指したデザインです。年齢や性別、文化の違いを問わず、誰にとっても使いやすいデザインを制作することで、共生の促進や、生活の質の向上にも繋がっていきます。ユニバーサルデザインは頭文字をとって、「UD」とも表現されます。
ユニバーサルデザインの事例としては、ピクトグラム等が挙げられます。ピクトグラムとは絵文図形記号のことで、トイレのマークや出口のマークに使用されています。言語が分からなくても意味を伝えられるため多様な背景に対応しています。
ユニバーサルデザインをウェブデザインにおいて当てはめると、色覚の多様性に配慮した色使いや、UDフォントの使用、代替テキスト等が挙げられます。
インクルーシブデザインとユニバーサルデザインの違い
インクルーシブデザインは多様なニーズに対応し、除外されていたユーザーにフォーカスを置きます。除外されていた方々も快適に過ごせるようにデザインされています。一方、ユニバーサルデザインはできる限りの全てのユーザーにフォーカスを置いています。広範囲的なデザインでできるだけ多くの人が利用できるようにデザインされています。
このような違いがありますがどちらも共通していることは、誰もが使いやすいデザインを目指しているという点です。
最後に
今回インクルーシブデザインとユニバーサルデザインについてまとめてみましたが、ユーザーの多様な背景・ニーズを反映しつつ、誰もが使いやすいデザインを意識して取り組むことの重要性を実感しました。
誰もが使いやすいという観点を日頃から考えデザインに反映させていきたいと思います。